韓国映画『長沙里9.15』(2019年)~忘れられた英雄たち
N・Sさんへ...
旅のほうは、どうですか?
順調ですか?何か収穫がありましたか?
突然ですが・・・、
私のほうは朝鮮戦争の時代を旅しております。
正確には1950年9月14日~15日。
場所は、朝鮮半島南東の長沙里(チャンサリ)
という海岸沿いの所です。
つまり・・・、その日のことを描いた映画
『長沙里9.15』という韓国映画(2019年)
を観ているということです(笑)w。
史実に即しているだけでなく、
戦闘シーンがリアルです。
◎ 仁川上陸作戦のおとり部隊
朝鮮戦争は、1950年6月に勃発したのですが、
最初は北朝鮮(中国・ソ連)側の
奇襲作戦から始まったのです。
北朝鮮軍が南下して半島のほぼ全域を占領。
韓国軍は半島の南東部に追いやられたのです。
その状態になってから、
マッカーサー率いるアメリカ軍が介入して
反撃に出たんですよ。
ソウルのわりと近くに、仁川(インチョン)
という港町があるのですが、
アメリカ軍はその仁川に上陸して、
北朝鮮軍を背後から不意打ち攻撃しようという
作戦を立てたんです。
その仁川上陸作戦を成功させるために、
おとりの軍隊が急遽編成されて、
半島南東部の長沙里(チャンサリ)に上陸し、
200高地を攻撃したんです。
今回の映画は、そのおとりの軍隊の話です。
にわか訓練を受けた平均年齢17歳の
高校生たちがメインの軍隊でした。
◎ 忘れられた英雄たち
この映画の原題は『장사리: 잊혀진 영웅들』です。
「長沙里:忘れられた英雄たち」
という意味です。
高校生たちから構成された部隊は、
あくまで”おとり”だったんです。
彼らが犠牲になることで、
仁川上陸作戦が成功したのです。
そして韓国という国が生き残ったのです。
韓国人にとって英雄であるだけでなく、
我々日本人にとっても恩人であり英雄だと思います。
だって、もし半島全域が北朝鮮軍に
支配されていたら、日本は、現在のような
平和ボケした状態ではいられなかったでしょ?
日本こそが今の韓国のような休戦状態におかれ、
アメリカ軍基地が全国あちこちに沢山作られ、
日本の上空を戦闘機や軍用機が飛び、
道路には戦車が走っていたかもしれない。
日本人にも徴兵義務が課されていたかもしれない。
軍服を着て銃を持った兵隊さんたちが
町を練り歩いていたかもしれないw。
あの高校生たちが犠牲になってくれたからこそ、
今の日本人がノホホンと生きていられるのです。
我々日本人も、『長沙里9.15』のことを
記憶に留めておかないといけないと思いますよ。
from moon2025
◎ 日本の1950年
追伸です。以下のこと書き忘れておりました。
1950年と言えば・・・、覚えていますか(笑)?
日本のほうでも大きな変化がありました。
朝鮮戦争が始まったのは6月25日ですが、
「朝鮮特需」という好景気が日本で始まり、
高度経済成長を歩み始めました。
現在の自衛隊の母体となる「警察予備隊」
が作られ、憲法議論が活発に展開されました。
アメリカ(GHQ)の指示により、
「レッドパージ」(赤狩り)が展開され、
共産党員が公職や大手企業から解雇されました。
当時の日本には、終戦前に準日本人として
渡来したまま帰国できずに日本で生活していた
朝鮮人が沢山いたのですが、朝鮮戦争勃発により
帰国できなくなり、しかも無国籍になりました。
日本政府は、朝鮮人への生活保護費支給を
打ち切る措置を取り、官民あわせて
「国へ帰れ」運動が展開されました。
この頃より「在日朝鮮人問題」が発生したのです。