中国ドラマ『大秦帝国』(2006年)その2 法の神(一角獣)

 ◎ 法の神(一角獣)


中国ドラマ『大秦帝国』(全51話)を観ていて

非常に気になったモノと言えば・・・、

法の神(一角獣)である。

中国戦国時代の秦国第25代公=孝公は、

弱体化した国を改革し強国にするために、

法家の思想家=商鞅を大臣として召し抱え、

法治主義国家実現への道のりを歩み出す。


法というものについて全く無知な国民に

崇拝の念=遵法精神を抱かせるために使った

小道具が「法の神(一角獣)」だった。

商鞅自身がその偶像の前で土下座をして

深く礼をしたり、

君主の座の背後の壁画として描かれている。

一本の角をもった麒麟(キリン)らしい。

ユニコーンと似ているが、羽もついている。

角が一本なのは、真実・真理は一つであって

その一点を一本の角で突くことが重要だ

という意味のようだ。


◎ 日本語の「はい」の語源は古代中国語


このドラマを中国語音声(日本語字幕)で

観ていると、「ハイ」という言葉が

頻繁に出てくることに気付くはずだ。

日本語の「はい」と同じ意味合い、即ち

「YES」や「了承した」という意味で

「ハイ」という言葉が使われている。

漢字にすれば「拝命」の「拝」だ。

そして、この中国古語である「拝」こそが

現代日本語の「はい」の語源と言える。


もともと現代日本語(標準語)の歴史は

さほど古いものではない。江戸時代までは、

各地の方言(訛)の差が激しかった。

明治期に入って、政府が全国を統一する

公用語(標準日本語)を作ろうとした。

尋常小学校制度を作って、教科書を通して、

まず子供たちへ統一した日本語を教えた。

そのときに作られた日本語が、現代へと

引き継がれている。


現代の「はい」=「拝」という言葉も、

江戸時代まではさほど使われていなかった。

明治期以降に「YES」の意味の言葉として

日本に定着したものと思われる。


現代の中国語では、「ハイ」=「拝」は、

滅多には使われないだろう。

「对(duì)」とか「是(shì)」とかの単語

を使うのが普通だ。

我々日本人は、現代中国人が使わなくなった

中国古語を使っているということになる。

面白い現象だと思いませんか。


◎ 拱手(「こうしゅ」「きょうしゅ」)


この時代の習慣なのか・・・、

上の写真のように手を合わせながら

話をしているシーンが多く目に付きます。

これは、拱手(「こうしゅ」「きょうしゅ」)

と呼ばれる挨拶方法であり、

古くから漢民族において行われているようです。


最近ではコロナ禍の台湾において、

握手の代わりにこの拱手をやろう

という復活の動きがあったそうです。



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