韓国ドラマ『天命』천명(2013年)~李峼(イ・ホ、이호)=仁宗の物語

 出演している俳優陣はスゴイんです。

ドラマ『トッケビ』において死神役を演じた

イ・ドンウクが主演しております。

が、髭が全く似合っておりません(笑)w。

彼には貧乏人の恰好が似合いません。

韓国ドラマの名優たちが脇を固めております。


◎ 韓国政府によるマスコミ統制の影響?


全20話の比較的短いドラマなのですが、

観終えるのが大変でした。

最初、内容がないように感じましたw。

ドラマ展開のテンポ(ノリ)が悪くて

すっごくツマラナイ・・・w。

観ている途中で眠ってしまうことが多くなり(笑)、

観るのをやめようなかな・・・、

と何度も思いました。


制作年が2013年なのですが、そのころ

韓国政府によるマスコミ統制

実施されていたことについては、別稿

韓国映画『共犯者たち』공범자들(2017年)

において書きました。

そういう背景事情があって、

優秀な制作スタッフが少なかったのかも?

と感じました。

第9話以降になって、面白くなってきました。


◎ アメリカ映画『逃亡者』のパクリ?


原題は、『천명:조선판 도망자 이야기』

であり、これを翻訳すると、

『天命:朝鮮版逃亡者物語』

ということになります。


ハリソン・フォードとトミー・リー・ジョーンズ

が主演した『逃亡者』っていうアメリカ映画

(1993年)を観たことがありますか?

無実の罪を着せられた医師が逃亡し、

捜査官に追われながらも真犯人を見つけ出す

という物語でした。


『朝鮮版逃亡者物語』という副題部分は、

そのアメリカ映画『逃亡者』を

朝鮮時代劇風に焼き直したという意味です。


◎ 『チャングムの誓い』と同じ時代


時代設定は、ドラマ『チャングムの誓い』と

ほぼ同じ時代であり、

あのチャングムも登場してきます(笑)。


チャングムを殺そうとしたり脅迫したり、

時に助けたりした文定王妃も出てきます。

やはり文定王妃は、かなりの悪女ですw。


が、このドラマの実質的な主人公は、

無実の罪を着せられた医師でもなければ、

チャングムでも文定王妃でもないです。


ドラマ『チャングムの誓い』では、

ほとんど取り上げられていない人物、

即ち、時の国王・中宗の嫡子(長男)であり

後に第12代国王となった仁宗こそが

今回のドラマの本当の主人公です。

このドラマの中では、まだ世子であり、

李峼(イ・ホ、이호) と呼ばれております。


そして世子である李峼 (イ・ホ、이호) が、

継母にあたる文定王妃を代表とする反対勢力と

いかに闘って王位に就いたか?

というのがこのドラマの本当の主題です。


◎ コバンザメ作品とクジラ作品とワケワカメ作品


ドラマ『天命』は、即ち、映画『逃亡者』や

『チャングムの誓い』に連なる派生作品

と評価できます。

派生作品っていうのは、名作映画・ドラマを

補完する役割を担っております。


名作を補完する内容を持つ派生作品のことを

私は”コバンザメ作品”と呼んでおります。

大きなクジラに引っ付いて共生しているもの。

コバンザメはクジラに引っ付くことで

餌や安全が得られるし、クジラのほうにとっては

身体につく余計なモノをお掃除してくれる。

互いにメリットがあるんです。

映画やドラマの世界でも同じです。

大作・名作と一緒に共生しているコバンザメ作品が

沢山あるんですねぇ。


大きな価値があるのは、大作・名作である

クジラ作品のほうです。

クジラ作品のほうを先に観た方が良い。

そのクジラ作品を観た後にコバンザメ作品を見ると、

クジラのことがよく判るんです。


今回の作品は二重の意味でのコバンザメです。

アメリカ映画『逃亡者』と、

韓国ドラマ『チャングムの誓い』の2つの

コバンザメです。

従って、今回の作品を観る前に、

まず『チャングムの誓い』や『逃亡者』を

観た方が良いでしょうね。

そうしないと、非常に面白くないワケワカメ作品

という印象しか残らないはずですw。


◎ 深谷志士(심곡지사 シㇺゴㇰチサ)と渋沢栄一


このドラマの中に、 深谷志士と呼ばれる秘密結社が

登場しており、その首長役をイ・ジェヨンが演じてます。

この「深谷志士」は史実とは無関係のフィクションだ

と思われます。が・・・、

「深谷志士」のモデルは、日本の江戸末期から

明治期に活躍した埼玉・深谷出身の渋沢栄一である

と思います。

韓国人も日本の渋沢栄一のことは、

日本の時代劇ドラマなどを観て知っているんです。


◎ 「天命」천명 の意味


タイトルに使われている「天命」천명

という言葉が何を意味しているのか・・・?

この点、最終回(第20話)で明かされております。

興味のある人は、頑張って自分自身で

ラストまで観てみましょう(笑)。



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