『新古今物語』(1975)~ 大学生が作った卒業記念映画のレベルがスゴイ

 N・Sさん...


『新古今物語』という短編映画を観ました。

38分ほどの白黒映画です。



昭和20年代に作られた映画のような

雰囲気が漂ってきますが、どうやら

1975年に日本大学の芸術学部の学生たちが

卒業記念に作った映画のようなのです。

「Senior Project at 1975, 

Nihon University College of Arts 」

と書いてあります。

出演者たちも、日本大学の学生だと思います。


◎ あらすじ:雉(キジ)の恩返し


『新今昔物語』というタイトルから、

日本の昔話を映像化したのだろう・・・

と想像するでしょ?


「鶴の恩返し」の話だったら、N・Sさんも

知っていますね?

この映画の内容は「雉(キジ)の恩返し」です。

そういう昔話は、日本には存在しないはずです。

ところが・・・、

日本の昔話の特徴が沢山取り入れられており、

自然に感じるのです。そこがスゴイですよ。


どういう特徴かって?

まず、登場人物(キャラクター)が少なく、

単純なのです。

田舎の青年、蛇とその化身、雉とその化身、

そして子供だけ。


命を助けられた雉が美人になって現れ、

その青年の妻となり、子供を作り、

そして自分の命をはって恩義を返す

という内容です。


そこに「忠義」という日本の精神が見られます。

古き伝統=古典を基本にしつつも、

新規性やオリジナル性があります。

良いセンスをした脚本家がいるということです。


映画冒頭には、『竹取物語』と似た雰囲気を

かもし出したイントロが映ります。


映像の背景で流れる音楽も、

さりげなく懐かしい感じがします。


◎ 高いクオリティ


N・Sさんもこの『新古今物語』を観れば

わかるでしょうが、

仕上がりの状態がけっこう良いです。

テレビドラマや公開中の映画と

大して変わらないレベルに達しております。


逆に言うと・・・、

今日のプロの映像関係者たちは、

わずか数年ちょこっと勉強した

大学生のレベルしかない、ということです。


YouTubeのコメント欄にも、

「70年代の学生の作品とは思えない

クオリティ。今の邦画が金注ぎ込んでも、

学芸会レベルしかないのがよくわかるね。」

と投稿されております。


N・Sさんも、ぜひ観てください。

なかなかの美人が出てますよ。

プロの女優さんになってもオカシクナイ

日本的な美人です。


この『新今昔物語』を作った学生たちは

映像づくりの道へ進んだのでしょうか?

日本社会では、本来やるべき人がやらず、

本来やるべきでない人たちが

その本来やるべき人を押しのけてしゃしゃり出ている、

つまりニセモノがホンモノを排除している

という構図が見られます。

現代日本の映画やドラマの質のレベルが低いのは、

そういう理由に基づくと思われます。



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