日本映画『二百三高地』(1980年)~ その1 ロシヤとロシア & 日本と大和
N・Sさん...
日本映画『二百三高地』(1980年)は
明治末期の時代を扱っていますが、
明治と大正・昭和を繋げる映像作品の一つです。
かつてN・Sさんが観た長編歴史ドラマ
『明成皇后』の続きの時代にあたり、そして
映画『ラストエンペラー』の前の時代を扱っています。
[N・Sさんwrote:]
『二百三高地』の最初の30分を見ました。
ロシアではなくロシヤ、タイをシャムって
当時は言っていたのですね。実はシャムは
初めて聞きました。
N・Sさんは、面白い点に興味を持ちますねぇ(笑)?
私の頭の中では、
ロシアもロシヤも区別されておりませんよw。
両方ありだと思っております。
以下、私の知っている範囲内で説明しておきます。
◎ ロシヤとロシア
ロシア語で「ロシア」あるいは「ロシヤ」のことを
「Pоссия」と書きます。
これを英字へ翻字(ほんじ)すると、
「Rossiya」となります。
ロシア語における「я」というキリル文字は、
日本語の「ヤ」に近い発音なのです。
従って、「Pоссия」を正確に発音すると、
「ロッシーヤ」という発音になります。
従来、「ロシヤ」と表記する人が多かったのは、
そのためです。
私は、そういう古い文献にかつて多く接したので、
「ロシヤ」という表記に違和感を持っておらず、
私自身も「ロシヤ」と書いてしまうことがあります。
英語では、ロシアのことを「Russia」と呼ぶのは
ご存知でしょう?「ラッシァ」と発音します。
わりと最近の現代日本人は、たぶん、
英語の最後の「a」の文字に引きずられたのです。
そこで「ロシア」と表記するのが主流になったのです。
戦後日本の高校や大学では、ロシア語を勉強する人が
少なくなっており、英語一辺倒の教育がなされている
という社会背景を反映しているのではないかな?
なお、江戸時代の日本人は、ロシアのことを
「オロシャ」とか「ヲロシア」と呼んでおりました。
言葉って、曖昧(ファジー)なんですよ。
いくつかの言語を勉強すれば、
同じことを意味する単語の発音が、
それぞれの言語でちょっとずつ違っていることに
気が付いて、そのうち気にしなくなります。
私の場合、ギリシアもギリシャもギリシヤも
どれも同じだと思っています。
イタリアもイタリヤも同じだと思っております。
「シャム」は、シャムネコの産地です(笑)。
N・Sさんも、シャムネコのことは知っているはず。
現在のタイは、1939年にできた比較的新しい国なのです。
映画『二百三高地』が背景としている明治時代末期には、
「タイ」という単語(国名)はなくて、
「シャム」(Siam)が正しいですねぇ。
◎ 日本と大和
くどいようですが・・・、言葉って、
曖昧(ファジー)なんです。たとえば
現代日本人は自分の国のことを
「にほん」とか「にっぽん」と呼んでおります。
しかし江戸時代までは、「日本」という単語は、
普通使われなかったと思います。
自分の国については、例えば関東に住む人の場合
「武蔵国」(むさしのくに)であり、
その生まれた場所から外へ出たことがなかったです。
「日本」なんていう単語は
多くの人は全く知らなかったと思います。
知識人などが広い大きな枠組みで日本を呼ぶときには、
「日出る国」(ひいずるくに)または
「ひのもとのくに」かな・・・。
大和国(やまとのくに)というのは、江戸時代までは、
現在の奈良県の辺りを意味していたので、
大和魂の「大和」が「日本」を意味するようになったのは、
明治期以降ではないかと推測します。
おそらくヤマトタケルノミコトが語源だと思います。
勇ましく戦う神様の子孫だという意味でしょう。
西洋人たちは、『東方見聞録』を書いたマルコポーロ
の影響を受けて、日本のことを長い間
「ジパング」(Gipang)と呼んでおりました。
そのジパングが、英語のJapan(ジャパン)になりました。
ドイツ人は、これを「ヤーパン」と発音しました。
フランス人は、「ジャポン」(Japon)です。
スペイン人は、「ハポン」と発音しました。
中国人は、日本のことを「リーベン」と呼びますし、
韓国人は、日本のことを「イルボン」と呼びます。
昔の中国人や朝鮮人は、日本のことを「倭」(わ)
と呼んでいました。
一匹の野良猫が、地域住民の色んな人から、
違った名前を付けられて呼ばれているのと
よく似ていますねぇ(笑)?
◎ ニコライ堂
私のほうも、いま『二百三高地』の最初のほう
を観ておりますよ。
今日のうちに一気に観てしまおうと思っております。
以前、観たことがあるはずなのですが、
全然記憶がなく(笑)、新鮮な気分で観ております。
ニコライ堂のことが気になってしまいました。
かつてお茶ノ水駅近くの予備校に通っており、
近く(隣の小道)をよく歩いていたんです。
しかし、中に入ったことがないんです。
あの教会は、ギリシア正教の流れをくむ教会です。
正確にはロシア正教の教会ではないですが、
ロシア人の宣教師が立ち上げた教会なので、
ロシアと繋がっている教会なのではないかと
多くの日本人が誤解したようです。
300円払うと、見学できるようです。
行ってみたいなぁ~って気がしてきました。

