BBC制作ドラマ『レ・ミゼラブル』Les Misérables(2018年) ~ その2 坂本冬美の『夜桜お七』

 [N・Sさんwrote:]

レ・ミゼラブル第2話を見ました。

少し内容が分かって来ました。

でも数回で終わるのですね?

韓流ドラマの様に長くやれば良いと思いました。


N・Sさん...


今回のドラマ『レ・ミゼラブル』は、

韓流ドラマと比べれば、

ストーリー展開が上手ではないですね。

初めて『レ・ミゼラブル』を観る人には、

わかりにくいかもしれません。


しかし、西洋人たちには定番の物語なので、

これで十分なのです。

アメリカやイギリス、フランス、ドイツや

イタリア、スペインなどの西洋諸国の人たちは、

子供の頃から『レ・ミゼラブル』の物語に

慣れ親しんでいるんです。たぶん・・・、

小学校や中学校の国語の授業で学び、

高校や地域の文化祭とかでこの物語が演じられ

・・・というような具合に、

多くの人がこのストーリーを知っているのです。

だからドラマでストーリーがブッツンブッツンと

途切れていても、自分自身の頭の中で

ストーリーを繋げることができて、

全体を理解することができるのでしょう。



◎ 第2話の概要


ジャンバル・ジャンは工場を経営しており、

しかも市長になっております。

ファンティーヌは幼い娘コゼットを

テナルディエ夫妻に預けて、工場で働きます。

頑張っていたのですが、仕事を解雇されます。

誰もファンティーヌに救いの手を差し伸べず、

彼女は娼婦の道へと追い込まれていきます。

養育費を支払う送金のため、

自分の髪や歯を売って金を作ります。

テナルディエ夫妻のほうは、

預かったコゼットを召使いのように扱っております。



◎ 庶民の生活の悲惨さ


私のほうは、『レ・ミゼラブル』については、

第3話の途中まで観ました。

が、途中で映像を止めてしまったんです・・・。

あまりに悲しくなってしまい、

目をそむけたくなったのです。


200年前のフランスの最下層の人たちも、

朝鮮時代の庶民(奴隷階級者)たちも、

同じような感じなのです。非常に哀れです。


この点、日本ではどうであったか?

日本でもおそらく似たような感じだった

と思われます。

「大飢饉があって餓死者が多数出た」

というような記述は教科書の中でも出てきますが、

具体的な庶民の姿を描いた物語などは

日本にはあまり存在しないので、

いまひとつ実感がわかないでしょ?

日本では、庶民を描いた時代劇やドラマなどは

ほどんどないと思います。

為政者たちは、庶民のことなんて、

草のように何処にでも生える価値のないモノ

として見ていて、関心もなかったし、

記録する必要もなかったのでしょうw。


◎ 日本で最初に庶民を描いた作品って?


日本で最初に庶民に焦点を当てて作品を

発表した人って、誰かな・・・?

松尾芭蕉なんて、あちこち歩き廻っているけど、

自然や風物ばかり鑑賞していて

生きている人間を見ていないですよね?

十返舎一九の『東海道中膝栗毛』は、

江戸庶民の旅物語だけど、

今でいうところの『るるぶ』のような

旅行雑誌に感じます。


他方、近松門左衛門の『曽根崎心中』は、

庶民を描いていますね?

井原西鶴の『八百屋お七』も、

確かに庶民をターゲットにした物語ですね。

ということは、

江戸中期の近松や井原の時代にならないと、

日本では庶民というものが表に出てこない

ということになります。

同じ頃、絵画のほうでも、浮世絵が出てきて、

美人や歌舞伎俳優の絵が描かれるようになりましたね。


いかがでしょう?

日本で庶民に関心が行ったのは、

江戸中期だと思いますが、N・Sさんは、

この点につき、何か異論がありますか?

しかし・・・、

近松や井原の書いた本を読んでいる人って、

現代人の中には殆どいないでしょうね(笑)w。


今回の『レ・ミゼラブル』を観ていく上でも、

たえず日本と比較する姿勢を保つと、

面白さが倍増すると思いますよ。


◎ 坂本冬美の『夜桜お七』


坂本冬美が歌っているこの曲のことは

知っているでしょ?

あれって、井原西鶴『八百屋お七』

原典なのですよ。

歴史的に価値のある名曲なのです(笑)。

だから、紅白で歌われてもオカシクナイのです。

でも、井原西鶴の原典を読んでいないと、

歌詞内容を十分には理解できないでしょうww。

あの曲の歌詞を理解して聴いている人って・・・、

紅白を見ている人の何パーセントかな?



同じ曲を聴いていても、

まったく違う内容を想像している人が多いはずww。

日本の庶民の生活は確かに豊かになりましたが、

心の中が寂しくなりました。



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