韓国映画『ファン・ジニ』(1986年)~ 日本未公開作品

N・Sさん・・・


N・Sさんからのメールが途絶えたということは、

またしても何処かへ旅に出ましたね?

宿題がたくさん溜まっていますよ(笑)w。


かつてN・Sさんが「妓生(きーせん)とは何か?」

と私に訊いてきましたね・・・。

その時に韓国ドラマ『ファン・ジニ』(2006年)

の視聴をお勧め致しました。

妓生っていうのは、現代日本人には

想像できない職業・身分・階級なので、

映像で見たほうが理解しやすいと思ったからです。

N・Sさんはまだ宿題をやっていませんね(笑)w。


私のほうは、その2006年のドラマ作品の他に、

『ファンジニ』を主人公にした映画作品を

これまでに2本観たことがあります。

もう10年以上前のことです。

今回、ホームページ用の原稿を作成するにあたり、

もう一度映画を観てみようと思ったんです

ネット検索したら、YouTubeで

無料動画がアップされていましたので、

すぐさま観てしまいました。


韓国映画『ファン・ジニ』-YouTube


◎ 『ファン・ジニ』に関する映像作品


そのYouTube動画を観始めてすぐに、

(あれ?おかしい、これは観たことがないぞ)

と気が付きました。

だって、主人公のファン・ジニが

「アガッシ~」(お嬢様)と呼ばれており、

両班(貴族)階級の娘だという設定で

始まっていたからです。

私がかつて観た3つの『ファン・ジニ』では、

主人公は妓生の娘だということだったのです。

『ファン・ジニ』に関する映像作品は、

少なくとも4つあるということになります。


いまYoutubeで観ているこの『ファン・ジニ』

は、一体いつ作られたものなのか?

Youtubeの紹介欄には「2023年制作」という

表記がなされているのですが、

それは絶対にあり得ない・・・。

おかしいぞ~w。

ということなので、この点について、

まず調べることになってしまいましたw。


私の調査によれば、『ファン・ジニ』は

これまでに6回制作されております。

①1957年の韓国映画。日本未公開。都琴峰主演

②1986年の韓国映画。日本未公開。チャン・ミヒ主演

③2006年の韓国ドラマ。ハ・ジウォン主演

④2007年の韓国映画。ソン・ヘギョ主演

⑤韓国映画『ファン・ジニ)の一生』(1961年ユン・ボンチュン監督)

⑥『ファン・ジニの初恋』(1969年チョン・ジヌ監督)

ただし、⑤と⑥の2つの作品は絶滅しました。

もう映像ファイルが残っていないものと思われます。


日本で一般的に観られているのは、

ハ・ジウォン主演の③2006年ドラマと

ソン・ヘギョ主演の④2007年映画です。

今回のYouTube作品は、

チャン・ミヒ主演の②1986年映画

だということが判明しました。


とすると・・・、消去法から考えて・・・、

私がかつて見た白黒映画の『ファン・ジニ』は、

絶滅危惧種の①1957年制作映画都琴峰主演)

だったことになります。

この①は今ではなかなか観れないようです。

私の記憶によれば、この①1957年映画は、

③や④とだいたい同じストーリーでした。

白黒映画だったので、主人公の白い服装が

むしろ逆に映えて、

強烈な印象となって残っております。


◎ ファン・ジニ(황진이 黄真伊 Hwang Jin-i)


ファン・ジニ(1506年 - 1567年頃)は、

第11代国王中宗(在位:1506年 - 1544年)

の治世中にソンド(松都:現在の開城)で活躍した

李氏朝鮮史上最も有名な妓生(きーせん)です。

芸妓名は、ミョンウォル(명월 明月)


この「ミョンウォル」っていう名前は、

覚えておいたほうが良いですよ。

他の歴史ドラマや映画のセリフの中に

引用されることがあります。

「ミョンウォル」という名前を聞いたら

「ファン・ジニ」を連想すべきことになります。

この『ファン・ジニ』と同じ時代を

扱った韓国ドラマとしては、 

『宮廷女官チャングムの誓い』『天命』

『オクニョ 運命の女』などがあります。

同じ時代を扱ったドラマや映画を

複数観てみると、その時代のことが

より一層よく判るはずです。


ファン・ジニの人生がどんなであったか

に関しては、今回の②1986年映画ではなく、

ハジウォン主演の③2006年ドラマを

まず最初に観るとわかりやすいです。

しかし・・・、③2006年ドラマは、

ファン・ジニに関する一つの歴史解釈に過ぎない。

ファン・ジニという歴史上の人物を

一つの視点で描いているに過ぎない。


人間というのは、自分の知識経験フレーム

の範囲内でしか、事物を認識できない。

人によってそのフレームの大きさは違います。

だから、同じ人物のことであっても、

人によって評価が違ってくるんです。

同じ人物についてであっても、人によって

違う側面を見ている可能性が非常に高い。

それが心理学上の前提です。


したがって・・・

ファン・ジニという人物のことについても、

人によって見え方が違ってくると思われます。

ファン・ジニにはいろ~んな側面があり、

いろ~んな歴史解釈が可能となってきます。

だから、複数のドラマや映画や本に接して、

ファン・ジニの実像を探っていくのが

良いと思うんです。

今回の②1986年映画も、

ファン・ジニに関する一つの解釈であり、

それを観ることには意味があると思います。


◎ 強い女・普通の女・か弱い女


果たしてファン・ジニは、強い女だったのか?

①1957年映画や③2006年ドラマ、そして

④2007年映画においては、

ファン・ジニの”強い女”の側面が

前面に出されて描かれておりました。それは、

彼女の外見(そとみ)がそうだったからでしょう。

ファン・ジニの奇才ぶりに重点を置いて

描かれておりました。痛快な内容でした。

しかし、本当のファン・ジニには、

か弱い面もあったはずです。

普通の女の側面だってあったはず。

今回の②1986年映画は、ファン・ジニの

か弱い面や普通の女の側面を描き出しております。

ラストシーンは、悲しいです。

ファン・ジニの実像をより一層知りたいという

マニアの人は、ぜひ観てみるべきでしょう。



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