韓国ドラマ『刑務所のルールブック』(2017年)~賢い監房生活 슬기로운 감빵생활
N・Sさん...
韓国ドラマ『刑務所のルールブック』(2017年)
を観ておりますよ。
韓国語での原題は『슬기로운 감빵생활』であり、
これを直訳すると『賢い監房生活』です。
ハラハラドキドキするようなタイプの
ストーリー展開ではないです。
つまり無条件にオモシロイという感じの
ドラマではない。
けれども、内容があるんですよ。
知的な面白さというものがあります。
刑務所の中のことなんて、
普通の人は知らないでしょ?
それを扱っております。
問題を抱えた人たちが沢山集まっています(笑)。
主人公(プロ野球選手)だけに
着目しているのではなくて、
他の受刑者たちやその家族のことや、
刑務官たちのことにも触れられています。
つまり・・・、人間の生き方全般について
真理を追求しようとしています。
観る価値のあるドラマと言えます。
◎ グランドホテル方式
このドラマは、いわゆるグランドホテル方式
で作られております。
初期の米アカデミー賞受賞映画で使われた
有名な映画製作手法です。
ホテルも監獄も似たようなもんです。
その場所に、いろ~んな背景の人たちが
集まってくるのです。その人たちを観察し、
問題が解決されていくのを見守っていきます。
そして設定を病院に移し替えれば、
続編ドラマの『賢い医師生活』が出来上がる。
◎ 日本との違い
N・Sさん・・・、ドラマ『刑務所のルールブック』
(全16話)を全部観終わりましたよ。
1話1時間半以上あるものが多いので、
合計すると26時間分くらいかな。
最初の2話ほどは、ストーリー展開の
テンポが遅いな・・・と感じてしまい、
(もしかして駄作?)とも疑ったのですが・・・、
次第に面白く感じていきました。
内容が奥深いし、視野が広いです。
こういうドラマは日本では作れないですね。
脚本家のレベルが高いのです。
ドラマを観ていると、いろいろな発見があります。
いくつかご紹介しましょう。
① クリスマス特赦
特赦っていうのは、恩赦の一つなのですが、
有罪判決の言渡しを受けた特定の人に対して
有罪の言渡しの効力を失わせるものです。
お隣の韓国はキリスト教国なのですが、
クリスマス特赦なるものが存在している点、
日本とは全く違いますねぇ。
日本では、天皇が替わった時など、
天皇に何かあったときに恩赦が実施されます。
日本はやっぱり天皇制国家なのですw。
② ラーメンの食べ方
韓国語の「ラミョン」(라면)は、
日本のインスタントラーメンのことを意味します。
韓国では自宅でよく作って食べているようです。
ところが・・・奇異な食べ方をしております。
鍋でラーメンを作るでしょ?
そこまでは同じです。が・・・、
それをその鍋のまま食べるんですよw。
二人で食べるときには、卓上で鍋からそれぞれの
小皿に箸でとって食べています。
日本では、そんなことはお行儀の悪いことですが、
韓国ではそれが当たり前のことのようです。
③ 出所直後に豆腐を食べる
刑期を終えた囚人が刑務所から出所するとき、
お迎えの人が豆腐を持ってきております。
それをモゴモゴと食べる習慣があります。
豆腐は白いですね?
「これからまっさらな気持ちで生きます」
という意味があります。
豆腐の栄養価は高いので、
受刑中に失った体力を回復させよう
という意味もあるようです。
④ 刑務所(日本)vs 矯導所(韓国)
日本刑法は基本的には応報刑主義を
前提にしており、罪を犯した人たちに
その刑を務めてもらう場所が「刑務所」です。
これに対して韓国では、日本の刑務所にあたる
施設のことを「矯導所」(교도소 キョドソ)
と呼んでおります。これは、
教育刑主義を第一に考えている証でしょう。
犯罪を犯した人たちを社会へ復帰させるための
教育施設だと考えているわけです。
なお北朝鮮には「教化所」なる施設があり、
思想的な面で再教育を実施しているようですw。
◎ 現在の積み重ねが歴史
私は「歴史ドラマ」のジャンルを
広義に捉えております。
現在という時の瞬間の積み重ねが
歴史になってくる。
現代を扱ったドラマであっても、
その瞬間を真摯に見つめたドラマであれば
後世の人たちへの重要なメッセージになる。
10年、20年、50年・・・経てば、
あの時代にはあんなことをしていたんだねぇ
と不思議に思われるのです。
それは立派な歴史ドラマですよ。
今回のドラマ『刑務所のルールブック』も
現代韓国の刑務所と言う特殊空間を
よ~く直視した映像資料であり、
後世に残すべき「歴史ドラマ」だと考えます。