韓国ドラマ『快刀ホン・ギルドン』쾌도 홍길동(2008年)~ 朝鮮の桃太郎

 N・Sさん


昨日(木曜日)、久しぶりに

地元の温泉へ行ったのですが、

それ以外の人間活動はやっていないです。

寝ている時間が多かったですw。

ドラマ『快刀ホン・ギルドン』(全24話)

を観始めると、眠ってしまうのです(笑)w。


最初、このドラマは駄作なのでは・・・?

見る価値はないのでは・・・?

と疑いました。しかし、間違っておりました。


◎ 朝鮮史上最初のキリスト教文学 


このドラマの原作本は、

1607年頃に初めてハングル文字で書かれた

キリスト教文学です。

朝鮮史上最初のキリスト者が書いた小説なのです。

内容は、儒教の矛盾を指摘・批判して平等思想

を訴えるものとなっております。


原作者の許筠(ホ・ギュン)は、

もともと名家(両班階級)の出身者であり、

第一級の官僚をやっていたのですが、

中国(明)へ留学(出張)した際に、

キリスト教と接し洗礼を受けました。

そして朝鮮に戻ったあとに

『ホン・ギルドン伝』という小説を

漢字ではなくハングル文字で書いたのです。

そのあと許筠は、光海君によって

残忍な方法(凌遅刑)で処刑されております。


◎ 上智という考え


現代では、韓国人も北朝鮮人も皆、

この「ホン・ギルドン」という名前を知っており、

実在しない架空のキャラクターではあるけれども

”民族の英雄”ということになっております。

子供向けの漫画も出ているようだし、

ホン・ギルドンに関する映画やドラマ、

そして本は沢山出版されているようですよ。

お隣の朝鮮半島では、誰でも知っているようです。

日本でいえば「桃太郎」に当たります。


私のほうは、20年も韓国語を勉強しており、

ドラマや映画などを見て文化を学んでいるのに、

「ホン・ギルドン」のことを

全く知らなかったんですねぇw。

無知だったということです(笑)ww。

今回のドラマを観ることにして良かったですよ。

”己の無知を知り、一つ一つ克服していく”

必要があります。

それが「上智」という考えです。


この『ホン・ギルドン伝』の原作者・許筠は、

キリスト教に影響を受けて本を執筆し、そして

処刑されているわけで、カトリック教会のほうの

「殉教者」という扱いを受けても

オカシクナイと思います。

が、今のところ、カトリック教会では、

「殉教者」には指定していないようです。

革命家・思想家であるという扱いのようです。


なお、日本には20万人の殉教者がおり、

その内の26人がカトリック教会から

「聖人」として指定されております。

豊臣や徳川によるキリスト教弾圧は、

ものすごかったということになりますw。

が・・・、日本には

許筠(ホ・ギュン)のように、

本を書いただけで処刑された人っていうのは、

いないと思います。記憶にないです。


日本のキリスト教文学は、

芥川龍之介、遠藤周作、三浦綾子など

大正・昭和に入ってからのものとなっております。


「上智」という考えは、

もともとはギリシア哲学に由来しております。

キリスト教よりも前に発生した考えです。

日本ではカトリック教会が運営する私立大学の

名前になっておりますが、本来的には、

キリスト教とは無縁です。

上智大学に通わなくても「上智」を実践することは

可能のはずです。


N・Sさんも「上智」をやってみませんか(笑)?

”無知の知”(自分が無知であること)を知って、

それを改める努力をすれば良いのです。


◎  夢を追う人


ドラマ『快刀ホン・ギルドン』の最終話

「夢を追う人」を観終わりました。


すっごく悲しい内容ですねぇ。

日本の会津戦争や西南戦争のような

哀れみを感じます。

が、それらとは大きな違いがあります。

日本では、旧体制を守ろうとする人たちが

新しい時代についていけなくて、

古いしがらみや義理を守ろうとして、

新体制側の人たちから抹殺された。

これに対して、このドラマにおいては、

新しい体制を夢見る人(改革派)たちが

旧体制側(保守派)の人たちから

総攻撃を受けている。

つまり、平等社会を作ろうという改革派が

王政派の大群に囲まれて滅んでいく。

400年後の現代では当たり前の平等思想の常識が

その時代には少数派(異端)の考えであって

多数派たちからやられてしまっているw。

時代を先取りしてしまったがために、

周りの人たちから拒絶されてしまっている。

その点が実に哀れです。



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